綿とはなにか?

 まずは現代っ子らしく、Wikipediaで調べてみました。つまり今日、私たちが「綿」と呼ぶものは「木綿」のことを指しており、このブログの趣旨も木綿のことを指します。

 現代日本では、通常、ワタ(アオイ科ワタ属の総称。ここでは、カタカナで書くときはこの意味で使う)から取られた木綿を意味する。しかし、戦国時代に木綿綿が普及する以前の古代や中世では、蚕の繭から作られた絹の真綿を意味するのが普通である。

(Wikipedia 「綿」より)

 では、その木綿とはいったい何か?もう一回、Wikipediaで調べてみましょう。上の参照にもあるように、ワタ属で調べたら出てきます。

 ワタ属(Gossypium spp.、英: cotton plant)は、アオイ科の属の一つ。約40種の多年草からなる。世界各地の熱帯または亜熱帯地域が原産。子房が発達して形成される朔果 (boll) の内部の種子表面からは白い綿毛が生じ、これを繊維として利用するため栽培される。この繊維は綿(木綿)として利用される。また、繊維を採取した後の種子から取られた綿実油は、食用油として利用される。

(Wikipedia 「ワタ属」より)

 アオイ科にはハイビスカスやおくらなどが含まれます。確かに言われてみれば、綿の花はハイビスカスに似ています。おくらの花にいたっては、その違いが分からないほどです。おくらは、日本全国だいたいどこでも作れます。

 同じように、綿も育てるだけなら日本全国で可能です。ただし基本的に熱帯や亜熱帯の植物なので、北海道や東北地方では木綿を収穫するまでは難しいです。とはいえ、実際には同緯度のウズベキスタンでも綿花栽培は行われています。最近では、北海道での綿花栽培に成功したという話もあります。

 


(左がワタの花、右がおくらの花)

 綿の栽培には何より日当たりが欠かせません。自宅で栽培する場合、5月のGW頃に種植えをすれば10日程度で発芽します。夏には上の写真のような花を咲かせます。花は1日程度しか見れません。そのあとにコットンボール(Cotton Boll)が現れ、秋になると成熟したコットンボールが自然に割れます。そうするとようやく私たちがイメージする白いフワフワの綿を拝めます。


(コットンボールの写真)

 綿は水を多く使う農産物と言われますが、自宅栽培ではそこまで気を使わなくて大丈夫です。夏ごろまでは土が乾かない程度に水やりすれば問題ありません。

 栽培する時の注意は害虫です。綿という植物は、全体に蜜腺があるので、害虫から格好の的となります。海外では強力なミミズやトンボみたいなのもいます。日本ではそこまで強力な虫もいないので、市販の殺虫剤で対応できます。日本で最も注意が必要なのはナメクジです。

 一見すると、綿の栽培はそこまで難しくないように思えるかもしれません。しかし本当に大変なのは、大規模農業で綿花を商業栽培する時です。栽培環境だけでなく、世界の需給など経済的要因なども含まれ、事情はさらに複雑化します。




“綿とはなにか?” への1件の返信

  1. Mr.Cotton さま

    始めまして 私の会社は キッズアパレルメーカーで 子ども服の企画・製造・販売をしています。
    このたび Mr.Cottonさまの REAL OF COTTONを拝見し とても興味を持たせていただきました。
    そこで Mr.Cottonさまの綿についての知識やご経験について お話しをお聞きする機会をいただけないかと思い コメントをさせていただきました。
    つきましては よろしければ ご連絡をいただければ幸いです。
    突然のコメントで大変恐縮ですが よろしくお願い申し上げます。 

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