綿花のグレードとは?

 前回の記事で、綿花の品質は主に5つの要素から判断されることを述べました。肉体的要素のグレード・繊維長と、性格的要素の繊度、繊維強度、均等性です。今回はまず、グレードについて説明します。グレードは次の3つのポイントで構成されています。カラー(Color;光沢と白度)、トラッシュ(Trash;異物混入量)、プレパレーション(Preparation;ネップなど)です。

カラー

 カラーのうち光沢は8段階、白度は5段階に分かれます。数字が低いほど良質なものとなります。カラーは「11」や「43」といった2桁の数字で示されます。左側の10の位は光沢を指し、右側の1の位は白度を指します。それぞれの数値には名称が割り振られており、下記の表の通りとなっています。

 

 

 光沢は綿花の品質を測る上で特に重要な指標になります。収穫時に雨などが降ってしまうと光沢は薄れますし、栄養が足りず繊維長が短い場合や繊維強度が低い場合も光沢は薄れます。逆に、光沢が非常に良い綿花は雨などに晒されることがなく、繊維長や繊維強度も高くなる傾向にあります。よって、光沢一つで綿花の品質が決まってしまうといっても過言ではありません。

 そんな重要な指標となる光沢なので、各段階ごとに名称と略称が設けられています。「GMの綿」と言えば最上級の品質の綿花を指しますし、「SM以上の綿が欲しい」と言った場合はコード1かコード2のもののみが対象となります。

 一般的にコード6以下の綿が取引されることはなく、また流通量も少ないです。世界最高品質の綿花を商業栽培しているアメリカでは、80%以上の綿花がSM以上となっています。特に最大生産地のテキサス州における2016/17年度の綿花は、実に9割以上が最上級すなわちGMの綿でした。

 現在はHVIという機械で測定される光沢と白度ですが、つい最近までは検品者(クラッサー)による目視での判別が行われていました。繊維長や繊維強度のように、刻みが少ない単位の数値で表されるものではなく、人の目で簡単に判別出来、またそれだけで品質が分かるからです。不思議なことに、光沢が高い綿花ほどやや黄色みがかって見え、光沢が低い綿花は白っぽさが目立ちます。

 21の綿花だけを差し出されて、「これのグレードは?」と問われるとプロのクラッサーでも回答が難しいでしょう。ですが、11の綿花と21の綿花を差し出されて、「どちらの方がグレードが良いか?」と聞かれた場合は、駆け出しのクラッサーでも判別がつきます。

 白度については、商業栽培や流通する綿花のほとんどがコード1の「White」となります。これも当然、目で見てランクによる違いが分かりますが、光沢ほど重要視はされていないのが現状です。

トラッシュ

 トラッシュは、異物混入量を7段階で示します。こちらも数値が低いほど異物混入量が少ないことを指し、ほとんどの場合グレードの光沢の数値とリンクするか近いものとなります。

 異物の中で最も多いのは収穫時に巻き込まれた葉カス(枝なども含む)と、綿種子と綿繊維を切り離す工程(ジン工程)で紛れ込んだ種子殻です。一瞥して分かるものから、本当にごく小さな黒点にしか見えないものまで、大小さまざまですが、これら天然の異物の量で判断します。

 その他、収穫時やジン工程の際に機械から漏れた油染みや、人の髪の毛や服の繊維、識別用の紙など人工物が混入することもあります。これらはあまり目にする機会は多くないでしょうが、その分最終製品を作る工程で機械や製品などに大きな影響をもたらすため、特に注意して検品される対象となります。

プレパレーション

 プレパレーションは数値で表示されることがありません。商業として国際的に流通している綿花が、どのようなジン工程を経ているかを確認するものです。上質で丁寧なジン工程を行うジン工場では、やはりネップ(繊維のカタマリ)は少なくなります。

 またネップの量はジン工程でソージンかローラージンかによって異なります。繊維を傷めないローラージンのほうがネップは多くなります。この2種類のジンについては、また別の機会で述べます。




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