綿花の繊維長とは?

 綿花の重要な要素の一つが繊維長、すなわち繊維の長さです。短い繊維はどのような状態でもゴワゴワしており、長い繊維ほど手触りが滑らかです。それは最終製品の衣服などになった場合でも違いとして表れます。

 繊維長は業界内では32分の1区切りで示されます。単位はアメリカを基準としているのでインチです。すなわち1インチ=32/32となります。1を超えた場合は約分をし、36/32は1 1/8とも示します。1インチは2.54㎝です。日本で繊維長を表す場合、ミリメートル単位のほうがよく使われます。表記は1インチで25.4㎜、1 1/8インチで28.6㎜となります。1/32インチは約0.08cmです。

 ICAC(International Cotton Advisory Committee;国際綿花諮問委員会)という組織があります。ICACは1939年に設立された綿花関係国政府間組織で、日本1951年に加盟しています。世界の綿花の生産,貿易,消費,在庫および価格に関する統計を収集し、綿花生産に係わる社会性、環境保全、経済性を検討する専門委員会です。ICACは、全世界で生産する綿花を繊維長別に分類するため、以下の5段階に分別しました。

 

短繊維綿 13/16(26/32) 未満  
中繊維綿 13/16(26/32) 1(32/32)
中長繊維綿 1 1/32(33/32) 1 3/32(35/32)
長繊維綿 1 1/8(36/32) 1 11/32(43/32)
超長繊維綿 1 3/8(44/32) 以上  

 

 一般的な商取引の場合、約分した数値ではなく分子の数字を使用することが多いです。例えば、アメリカのシカゴ先物取引所に上場されている綿花の基準値は1 1/16(34/32)インチですが、34と表記されます。日本の紡績会社でよく使用されるのは1 1/8(36/32)の繊維長の綿花ですが、これを「サブロクの綿」と言ったりします。超長繊維綿は英語でExtra Long Staple Cottonと呼ばれ、ELSと略されます。

 綿花の品質は繊維が長くなるほど良くなり、値段も比例して上がっていきます。衣類は主に、中長繊維綿以上の長さの綿花が使用されます。繊維が短いと、糸にする紡績過程で切れやすくなってしまうためです。一方で、繊維長と反比例するのは繊度(マイクロネア;繊維の太さ)で、繊維長が長くなるほど繊度は低くなります。短繊維綿は繊維が短くゴワゴワしていますが、その分繊維が太いため、ふとん綿などに使用されます。

 国によって生産される繊維長が異なる場合があります。アメリカでは高品質の綿花を大量に生産するため、繊維長は34~38の間のものが最も多いです。一方で、わずかですが超長繊維を生産しており、これはスーピマコットン(Supima Cotton)の名で知られています。短繊維綿はインドとペルーが有名です。特にインドのデシ綿は、価格が安く量も多いため世界中で利用されています。

 なぜ綿花の中で繊維長に差が出るのでしょうか。それはそもそも綿花の品種が異なるからです。それについてはまた次の機会で述べたいと思います。

 




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